ミスコンから逃げない

こんにちは!今回はコンテスト長がコラムを担当します!コンテスト長は、お茶大の歌うま決定戦「歌姫」と、お茶大のミスコン「水コン」の2つのコンテスト企画を総括しています。私は、1.2年生の頃から水コンを担当していました。約200人の組織であるKIFCの中で、3年間水コンに直接関わっているのは、現在私たった一人です。

このコラムを書くにあたり、何を書こうか本当に本当に悩みました。KIFCで出会った人たちの魅力、KIFCで学んだこと、敬慕する先輩の話、後輩たちの頑張り…など、挙げ出したらキリがありません。でもたった一人、水コンに3年間関わり続けた私にしか書けないもの、「水コン」について書くことにしました。

さて、前置きが長くなってしまいましたがここからが本題です。

ミスコンは、
・ルッキズムに加担した取り組みだ
・〈みる男性/みられる女性〉という関係を浮き彫りにしている
・〈男性らしさ/女性らしさ〉という価値観の押し付けだ
・性別役割分業意識を助長する
・理想の男性像、女性像を強要している
など、多くの問題を孕んでおり、他大学ではミスコンが廃止されつつあります。

しかし私は、ミスコン自体を廃止したいとは思いません。人は、「ないもの」に気づくより「あるもの」に気づくことの方が簡単だと考えるからです。つまり、ミスコン廃止という道を選ぶことで、ミスコンが抱える社会問題が見えづらくなってしまうと思うのです。廃止という道を取ることは簡単ですが、そんな一種の「逃げ」は何も解決しません。

水コンは「廃止=逃げ」という道を取らず、社会問題に向き合い続け、新しいミスコンの在り方を考えるコンテストです。
〈社会問題が山積みなミスコンという枠組みの中で、水コンを開催する〉
〈そして、その存在によって差別やミスコンの抱える問題を解決する〉
これこそが水コンの存在意義なのです。そんな水コンを、ジェンダー教育の進んだお茶大で「逃げずに」行い、ミスコンの抱える問題について発信し続けることに意味があるのではないでしょうか。

外見に悩んだ経験がある人、今まさに悩んでいる人、性別役割分業意識に苦しむ人、らしさに疑問を抱く人…そんな人たちにこそ水コンは届いて欲しいです。そして水コンが、「すべての人が差別や問題に苦しまずに生きられる社会の実現」に力添えできたらいいなと思います。ミスコンの抱える問題は社会に強く根付いており、これは理想論かもしれません。しかし私は、たとえそれが一人だったとしても、誰かが何かを考えるきっかけになることが重要だと考えています。そして、水コンの「逃げない」という選択や姿勢が一人でも多くの誰かに勇気や元気を与えられたらもっと嬉しいです。

逃げないミスコン、水コンにぜひご注目ください!

企画部局・3年